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フランス&スペインの美しきピレネー山脈ハイキング 大阪府 高田幸夫・美枝子 記

ヨーロッパ/アフリカ

 7月初旬、梅雨真っ只中の日本を脱出して梅雨のないヨーロッパに行くのもよい。兼ねてから考えていたフランスとスペインの間にあるピレネー山脈のハイキングに出かけた。9日間の旅である。まだ、パリオリンピック前とあって飛行機も空いていた。ピレネー山脈には、多様な自然、巡礼者の祈り、そして、里山の文化がある。
 私たち夫婦は、日本を出発してバルセロナに着き、ピレネー山脈の麓の町や、ピレネー国立公園をハイキングした。

  先ず、バルセロナからバスに乗って、フランスの城壁都市、世界遺産のカルカッソンヌで泊まった。 カルカッソンヌは、スペインから、ピレネー山脈を超えてやってくる敵を防ぐために、ルイ13世が築いた難攻不落の二重の城壁に囲まれた城がある。城の内部に中世の街並みの雰囲気があり散策して、そこのレストランで夕食を食べた。

 早朝ホテルを出発し、フランスののどかな酪農風景を楽しみながら、ピレネーの北麓の、ラモンジー村に向かった。出発するときには、雲一つない天気であったが、ラモンジーに近づくにつれて、ガスが深くなってきた。展望台からピレネーの山々を見ることになっていたが、この霧で、半ばあきらめながら、ロープウエイに乗った。

 ロープウエイのチュウフクを通過するころになると、青空が見えてきた。ピック・ド・ウミティ展望台は、雲海の上にそびえる別世界のようであった。

 ピック・ド・ウミティ展望台(標高2877m)は、ピレネー山脈で一番美しいパノラマが楽しめるところである。ハイカーや観光客でにぎわっていた。「空の浮船」と呼ばれると空中に突き出たスカイウオークを恐る恐る先端まで歩いた。透明のガラス床を持ち全方向の景色を見ることができた。

 眼下の雲海の上から壮大なピレネーの山々が見えた。残念だったのは、ピレネーの最高峰・アネト山(標高3404m)はあっという間に、雲の中に消えてしまったことである。

 ルルドは、ピレネー国立公園に向かう、登山の入口の町で、2万年以上前は、ピレネー山脈の氷河はルルドまで続いていたという。ルルドは、カトリックの巡礼地として知られ、奇跡を信じて、世界中から巡礼者が集まるところである。私たちは、ルルドを拠点にしてピレネー山脈のハイキングを楽しんだ。

 ルルドは世界有数の大巡礼地である。ルルドに訪ねて初めて知ったのはローソク行列である。夏になると、夜9時を過ぎると毎日のように開催される。ローソク行列は、巡礼者たちが、祈りを捧げ、聖母マリアへの信仰を表す儀式で、行列は、ルルドの聖域を巡りながら、讃美歌を歌い、祈りをささげる。行列には、クリスチャンでなくても、信仰や祈りの気持ちをもって参加できる。世界各地のいろんな国の人たちが参加している。ボランティアに助けられて車椅子で参加している人も目立った。ボランティアやホスピタラーなど、人々に奉仕するために訪れる人も多い。

 私たちもローソク立てを手にして行列に参加した。参加したすべてのひとが、信仰の枠を超えて、心を一つにしている感じである。心の奥底に響くものがあった。

 ホテルを出発してガヴァルニーに向かった。今日は、ガヴァルニ川沿いに、渓谷を登るハイキングである。遠方に、標高3225メートルのマルボレなど、3千メートル級の山々を見ながら歩いた。

 カワのほとりの遊歩道から離れ、草原や針葉樹の中を森林浴をしながら歩いた。カールに着くと、お腹もすき、ホテルで作ってもらった弁当を食べた。

 カールには、落差422メートルのガヴァルニーの滝が、ひときわ目立っていた。また、氷河から流れ出る無数のカスケードも、見応えがあった。

ハイキングの後、麓の村のカフェで飲んだ、ビールは美味しかった。

 今日は、スペインとの国境に近い、フランス側の山地・アルトウーストに向かった。ゴンドラに乗り、プテトラン駅に着くと、トロッコのような、派手な小型観光列車が待っていた。ダム建設用に作られた、幅50センチの狭い線路を走り、標高1940メートルのテレキャビン駅まで走る。

 崖っぷち、すれすれのところを走る、スリル満点の列車旅である。途中、高山植物の花がいっぱい咲くところや、かわいいマーモット達にも出会った。

 レキャビン駅からダム湖まで歩いて登った。白い雪渓があちこちに散らばる山々がダム湖の水面に映り、感動の景色をたのしんだ。

 ピレネー山脈のハイキングは、谷底を彩る花々や、壮大な滝や渓谷があり、何度も立ち止まって見入ってしまう。ハイキングの後は、地元の村で、美味しい郷土料理や、ワインを飲んで疲れを癒した。ルルドの信仰の深さと美しさに感動しながらも、美しいピレネー山脈に感謝した。

 フランス側のピレネー山脈を越えてスペインのサラゴサで一泊した。 サラゴサは、アラゴン王国の首都として重要な役割を果たしてきました。美しい旧市街があり、多くの歴史的建造物が多く残っている。サラゴサ大聖堂やアルハンブラ宮殿など、世界遺産に登録されている。8世紀から11世紀にかけて、イスラム教徒がこの地域を支配したため、今でもサラゴサはイスラム文化が色濃く残っている。

 スペインのバセロナは昨年の夏にも来た。今回で4度目になる。サグラダファミリアやカサミラなどを訪ねた後はランプラス通りやグラシア大通りをぶらり散策した。旅の最後ということで、グラシア通りのバルに入って地中海の新鮮な海の幸を食べた。日本人は私たち二人だけとあって、店の人と会話が大いに盛り上がった。

ゆきお
ゆきお

BGM入りのピレネー山脈の10分間動画を作りました。分かりやすいナレーション入りですので興味のある方にはお勧めです。

(スマホで見るときは横にしてご覧ください)

編集担当: 高田幸夫

ヨーロッパ/アフリカ

コメント

  1. 宗村新一郎 より:

    高田 様
    今回はピレネーへの旅でしたか?。
    美しい山並み.澄んだ空気が画面を通して伝わって来ました。
    動画のBGM.ナレ−ションも素敵で最後まで見入ってしまいました。
    次回は何処に行かれるのでしょう、楽しみにお待ちしています。

  2. 高田幸夫 より:

    宗村さん、6〜7月初旬が一番良い時期みたいです。おススメです。次は、日本の一番寒い時期に、3箇所はしご旅行を計画しています。元気な姿で台湾でお会いしましょう♪

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