京都紅葉穴場「蓮華寺」(動画付き) 高田幸夫 記

西日本

コロナ禍も収まりつつある中、紅葉狩りにお勧めの穴場がある。
鴨川の源流の一つ高瀬川沿いにこじんまりとした寺がある。京阪出町柳から叡山鉄道に乗り三宅八幡駅で降りる。そして、比叡山の山並みの紅葉や高瀬川のせせらぎを聞きながら旧鯖街道(現・国道367号線)を歩くとある。看板に注意して歩かないと見逃してしまう。山門の上にそびえる銀杏の黄葉は見事で高野川沿いを歩いていてもよく見える。

其処と決め静かに着地照紅葉 (ゆきお)

蓮華寺の紅葉は東福寺や永観堂のような広大な境内に並ぶ紅葉ではない。そう広くもない境内に京都らしい紅葉の景色が凝縮されている。特に書院から一望する『額縁の紅葉庭園』は人の心を動かす。
江戸時代初期に前田藩の家臣が祖父の願いに応え、菩提を弔うために建てたものである。
創建当時からある山門をくぐると参道の石畳が目に入る。その両脇に周り全体を覆う紅葉がど迫力で目に迫ってくる。思わず次々とシャッターを押したくなるような景色である。石畳の左手には約三百の石仏群が並んでいる。一つ一つの石仏の表情をのぞき込むで見るのも面白い。右手には紅葉の樹木の中に巨大な銀杏の木があり、紅葉の景色の中に銀杏の黄色い葉は優雅に宙を舞う。そして、時を刻むように静かに一つ、そしてまた一つと着地する。落ちた銀杏の葉は緑の芝の上に黄色い絨毯を敷いたように広がっている。

先の葉に習いて舞ふや夕紅葉(ゆきお)

玄関からお堂を通り過ぎると書院がある。書院は東向きに開けており、庭園を一望することが出来る。書院の奥に赤い毛氈が引かれており、そこから眺める庭園は見事である。書院の柱を額縁に見立てて眺めると生きた名画を見るようである。

額縁に浄土の世界庭紅葉(ゆきお)

庭園の造形には石川丈山作とも伝えられる池泉鑑賞式庭園である。池泉回遊式のように池の周りを廻り歩くことを目的とせず、書院から眺めることを目的に作られた。池の対岸に浄土を描き、水量豊かな湧水がある。池の中の右手に舟石が配されている。蓮華寺の舟石は入舟の形をしており、入舟は来世の浄土(理想郷)ではなく、浄土をこの世(此岸)に見出す思想を表している。生き生きとシニアライフを過ごしているLSC会員には通じるものがあるといえる。

書院から右手に見えるのが本堂である。正面は書院から見で裏側に当たる。本堂入口には二基の灯篭が佇んでいる。蓮華寺形灯篭として知られ、中台には蓮弁のある六角形の唐草文があしらわれ、茶人たちにも好まれた。本堂右手の庭の紅葉も見応えがある。本堂天井には龍の絵が描かれている。かつては狩野探幽が描いたとされるものがあったが、明治期に失われ西村公朝によって復元された。

渓紅葉朝日を浴びて輝けり(ゆきお)

蓮華寺の書院に座り、じーっと庭を見つめていると心が和み京都の紅葉穴場として、近場に訪れたときにちょっと立ち寄ってほしいところの一つである。

盃の透けるさざ波新酒の香(ゆきお)

蓮華寺の紅葉を見た後、京阪三条で降りて熱燗と共に寿司を食すもよい。

上記記事をご覧頂いた後、下の動画をご覧頂くと紅葉の蓮華寺の味をより深めることが出来ます。下記の動画(5分)の画面をクリックするとご覧いただけます。

西日本

コメント

  1. 松本久美子 より:

    素敵な動画で、紅葉狩り出来ました。有難うございます。
    来年は是非行って観たいです。

    • 高田幸夫 より:

      松本様、関西在住の人でも知らないところで、知る人ぞ知る紅葉の穴場です。京都らしい紅葉景色が楽しめます。来年は是非!

  2. 神原克收 より:

    写真よし、動画なお良し、俳句更に佳し

    • 高田幸夫 より:

      大先輩からお褒めの言葉を頂き恐縮しています。俳句は「鳰の子」の同人として句会に参加していますが、なかなか上達しません。写真、ビデオ、俳句・・・いずれも『自分が楽しめたら』良しとして気軽に続けています。

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