ジャーマンレイルパスを利用したドイツ周遊とオランダ、ベルギー、パリの旅 大阪府 浅野 益男

ヨーロッパ/アフリカ

2018年7月9日オランダ アムステルダムからベルギー、ドイツ、フランス パリを巡る18日間の鉄道旅行をしました。ユーレイルパス(ヨーロッパ域外の居住者が利用できる指定の地域・期間の鉄道の乗り降り自由の切符)を初めて利用したドイツ周遊を中心に紹介させていただきます。

出発の2か月程前よりドイツ周遊を主たる目的にレイルパス利用の鉄道旅行を計画。結局、オランダ、ベルギー各2泊し、ブリュッセル南駅を起点にフランクフルト、ドレスデン、ベルリン、ハンブルク各2泊後ブリュッセル1泊に戻るドイツ周遊後、最終地パリ3泊を巡る旅行になりました。

ユーレイルパスにはヨーロッパ33ヵ国乗り降り自由のグローバルレイルパスと2~8ヵ国乗り降り自由のエリア別と1ヵ国のみ乗り降り自由の3種類あります。レイルパスの最大のメリットはいちいち切符を買わなくて良いことです。金額的な事では一か月以上前であれば8割引~4割引の早割り切符が買えるのでルートや日程によっては決してお得とは言えません。元をとるにも結構苦労するようです。アムステルダム⇒ブリュッセル⇒パリへの移動はThalys(300㎞/hで走る高速列車)をキャンセル変更不可の早割の1等切符を手配しました。ブリュッセル南駅を起点にブリュッセルに戻るドイツ周遊についてはジャーマンレイルパス(ドイツ1ヵ国、有効期間1ヶ月内に7日使用できる1等席のフレキシータイプ)を手配しました。ジャーマンレイルパスは寝台列車を除いてICE(高速列車 料金は日本の新幹線よりも高額)も含め予約なしで乗車できる扱いやすいレイルパスです。一人5ユーロ程度で座席指定もできます。また、一部のドイツの以外の都市も無料で乗り降りできます。ブリュッセル南駅からもケルン駅経由でドイツ国内駅の乗り降りができます。2人で旅行の場合1人分が半額のTwinパスもあります。ブリュッセル以外イタリア、オーストリア、スイスの一部にもEC(EuroCity国際列車)で、またポーランドワルシャワ、チェコプラハにもIC国際バスにて座席予約すれば行けます。
下記はドイツ鉄道の高速列車ICE(InterCity Express)の路線図と今回の実際の旅行行程です。

2年半前の事なので記憶も薄れていますが資料や写真を基に記します。
今回の旅行、ちょっと優雅に航空機はビジネス利用、レイルパスも1等、ホテルもクラブラウンジ利用を2泊、2か所計4泊手配しました。好きなヨーロッパの街並みを散策、古城や宮殿、聖堂、美術館巡りが主な目的です。移動はトラム・バス・地下鉄などの利用と徒歩が主体の旅です。

7月8日関空18:00発キャセイパシフィック航空香港経由で7月9日アムステルダム・スキポール空港AM 6:40着。香港での乗り継ぎ3時間20分あり直行便より時間はかかりますが、飲茶ラウンジ、中国茶ラウンジ、シャワー等豪華で時間はあっと言う間でした。アムステルダム中央駅前で地下鉄・トラム・バス共通の2日パスを購入。ホテルまでトラムで移動。入室はできませんがホテルチェックイン後、アムステルダム国立美術館鑑と市内散策。散策の途中、自販機にて熱々のコロッケを食しました。

アムステルダム中央駅前の運河  コロッケの自販機 ユトレヒトのドム塔

翌日はオランダ鉄道で1時間弱のユトレヒトを徒歩のみで散策。高さ95mのゴシック様式の教会の塔ドム塔を見学。ユトレヒト名物のアップルボールというリンゴのスイーツを食しました。

7月11日、高速列車タリスThalysでブリュッセル南駅に1時間50分で移動。早割の1等ですが飲み物とスイーツが出たと思います。ドイツ周遊の起点の駅なので駅前のイビスホテルに宿泊。世界で最も美しい広場グランプラス、王宮、国会議事堂等散策。世界三大がっかりスポットと言われる本家ブリュッセルの小便小僧、身長わずか55センチですが500年以上の歴史を持つ由緒ある像のようです。

ベルギーでの美味しかった食べ物の1位のムール貝のワイン蒸しと4位のワッフルもいただきました。

アムステルダム⇔パリ間の高速列車Thalys 日差しに輝くグランプラス 意外と小さい小便小僧

ブリュッセル2日目の7月12日はベルギーで最も人気の街ブルージュ(旧市街は世界遺産)の散策。ブルージュまでベルギー国鉄IC(インターシティー都市間長距離列車)で1時間程。65歳以上のシニアチケットで往復なんと一人7ユーロ。復路ではヘント(Gentと書いてヘントと読む)で途中下車し散策。

ブルージュの運河 ブルージュの街並み ヘントの街並み

 7月13日ジャーマンレイルパスを利用(1日目/7日分)したドイツ周遊の旅に出発です。
レイルパスを使用開始するには通常、駅窓口にて利用開始手続き(バリデーション)が必要です。利用開始日と終了日、パスポート番号の記入と証明のスタンプを押してもらいます。乗車日は利用者自身で記入します。バリデーションなし、乗車日の記入漏れいずれも罰金の対象になります。駅窓口が込み合うことがあるので、前日までか乗車日であれば余裕をもってバリデーションします。

ドイツ周辺での鉄道移動に便利なDB(Deutsche Bahn ドイツ鉄道)のアプリ、DB Navigatorを紹介しておきます。スマホなどにインストールして路線検索からチケット購入(座席指定のみも可能)、遅延情報も入手できます。今回は日本国内で座席指定券の事前購入、現地で列車情報を見ていました。出発プラットホーム番号も分かるので便利です。

レイルパスの見本 ❶パスのタイプ 実際はツイン ❷使用開始日 ❸有効期間終了日    DB Navigationのアプリ❹乗車日 実際は7/13~ ❺通用日数 実際は7日/1ヶ月❻❼❽名前 居住国 パスポートNo.❾実際は1等 ➓バリデーションスタンプ ⓫レイルパス発行日(使用日は1年以内) DB Navigationのアプリ

ドイツ鉄道(DB)乗車時の注意点。駅構内の電光掲示板で目的地へ向かう列車番号と到着・出発ホームを要確認。ドイツ国内は改札口がない為、そのままホームに向かいます。ホームにある掲示板で車両編成(1等車、2等車、食堂車など)と長いホームの停車位置も確認できます。車内で検札があるのでフレキシータイプのレイルパスの場合は上記 ❹乗車日を必ずボールペン等で前もって記入します。検札では必ずチェックされます。あと注意点としては、ドイツ鉄道全般で特急であるICEなどの遅れが常態化しており、乗り継ぎには余裕を見ておく必要があります。ジャーマンレイルパスはどの列車も乗り降り自由(予約なしで乗車)なので仮に乗り遅れても次の列車などに無料で乗ることができます。

ブリュッセル南駅ICE1時間50分でドイツケルン駅着下車。フランクフルト行きの乗換時間まで駅前にあるケルン大聖堂他散策。7月中盤の金曜日なので駅前はかなり込み合っていました。ライン川沿いルート(ボン、コブレンツ、マインツ経由)をIC(InterCity 日本の在来線特急)2時間10分でフランクフルトに到着。車窓からライン川といくつかの古城を見る事かできました。ICE利用の近道ルートならフランクフルトまで1時間程です。ブリュッセル⇒フランクフルト間、1等車正規料金一人200ユーロ程度なのでレイルパス使用1日目は十分に元を取れました。

ブリュッセル南駅のICE ケルン駅のIC ケルン大聖堂 ライン川の古城と街並み

フランクフルト中央駅近くのホテルにチェックイン後、徒歩圏内のレーマー広場と旧市庁舎がある歴史地区散策。夕食はグーグルマップで和食を検索、ラーメンが締めで出てくる日本食を1時間待ちでいただく。待ち時間の間、フランクフルト中央部を流れるマイン川をぶらぶら。

ユーロタワーとユーロサイン マイン川水辺の遊歩道 翌日の歴史地区 レーマー広場

フランクフルトの2日目7月14日はライン川クルーズ(リュデスハイム⇒コブレンツ)の計画を変更し、ハイデルベルクへの日帰り旅行になりました。フランクフルト⇔ハイデルベルク直通で53分ですが1等正規料金で68ユーロと結構高く、レイルパス使用2日目も元は取れました。駅からハイデルベルク城のある旧市街までバスの移動になります。地域のバス・トラム乗り放題、ハイデルベルク城の入場券とケーブルカー往復の乗車がセットになったハイデルベルクカード1日券が便利です。ハイデルベルク城の他、哲学者の道、カールテオドール橋、旧市街の街歩きができます。

哲学者の道 展望台より旧市街を望む カールテオドール橋門 工事中 ハイデルベルク中央駅のRE(快速列車)

7月15日フランクフルトからドレスデンへICEで4時間以上の移動。レイルパス使用3日目です。
ドレスデンは第2次世界大戦終盤の爆撃で街の85%が破壊されましたが、見事に復元され近年観光客に注目されています。見どころの旧市街中心部にあるヒルトンドレスデンホテルにチェックイン。エグゼクティブラウンジで休憩後、陶磁器で有名なマイセンの街を散策。Sバーン(都市近郊線)で27分です。ホテルラウンジのカクテルアワーでは2018年サッカーワールドカップ決勝フランスvsクロアチアのテレビ観戦。翌日はトラム1日パスで市内散策。元世界遺産のエルベ渓谷、ちょっと足を延ばしてチェコのプラハまで(2時間ぐらい)日帰りも可能でしたが、ホテルライフ(エグゼクティブラウンジ利用)を満喫すべく市内散策になりました。

マイセンのアルブレヒト城 ドレスデン城の壁画「君主の行列」 グローセルガーデン
ツヴィンガー宮殿 中庭 カトリック旧宮廷協会 エルベ川 川沿い Academy of Fine Arts

7月17日ドレスデンからベルリンにEC(EuroCity国際列車)で直通1時間40分の移動。レイルパス使用4日目です。ベルリン中央駅からSバーンで1駅フリードリヒ通り駅近くのメリアベルリンホテル(クラブラウンジあり)にチェックイン。ラウンジ利用で翌日のベルリン市内観光と散策も満喫できました。休憩後最寄り駅のフリードリヒ通り駅からSバーン直通30分で行けるポツダム訪問。サンスーシ公園とサンスーシ宮殿散策。もちろん4日目のレイルパスが利用できます。
翌日は4つの公共交通機関、Sバーン・Uバーン(地下鉄)トラム・バスに乗り放題の1日券でベルリン市内東西行ったり来たりと街歩き。見どころいっぱいです。

ポツダム サンスーシー宮殿 ガラス張りのベルリン中央駅 プラットホーム3階建て
ベルリン 戦勝記念等 ベルリン ブランデンブルク門 ベルリン Uバーン(地下鉄)

7月19日ベルリンからハンブルクへICEで直通1時間42分の移動。レイルパス使用5日目です。ハンブルク駅近宿泊ホテルに荷物を預けブレーメンに移動。ドイツ北部のハンブルク、夏場もエアコンが必要ないのかホテル玄関開けっ放しでこの日の暑さに対応していました。7月も後半に入ると人出も増えています。ブレーメンまでICで55分です。レイルパス5日目を利用。ブレーメン行きホーム写真のようにごった返していますが、1等車はがら空きです。3時間程ブレーメン散策と昼食後ハンブルクに戻り中心部散策。ホテル宿泊にセットの交通チケット(近郊電車、地下鉄、バス乗り放題)を利用。

ハンブルク中央駅の混雑 ブレーメン音楽隊像 ペットヒャー通り 煉瓦造り ブレーメン市庁舎

ハンブルク2日目7月20日は世界遺産の街リューベックを散策。ICもしくはRE(Regional Express快速列車)で45分、レイルパス使用6日目です。リューベックは「ハンザ同盟」の盟主とした栄えた商業都市です。町の入り口ある赤レンガ造りのホルステン門とマジパンが有名です。
午後はハンブルクに戻って市内散策。世界遺産の倉庫街など見どころは多いです。ホテルから提供の交通チケットを利用。

リューベック ホルステン門 ザルツシュパイヒャー赤煉瓦 ハンブルク中心部 内アルスター湖周辺 ハンブルクの港周辺

ドイツ最後の日、7月21日はドイツ周遊の起点地ブリュッセルに戻る。ケルン乗換2時間待ちを合わせると8時間の移動です。レイルパス使用最終の7日目。今回の旅行で最長時間、当日乗車の2等切符で240ユーロもするようです。早割最安値でも100ユーロはします。レイルパス利用の場合、元を取るにも苦労することがあると記しましたが、ドイツ鉄道の料金設定が意外に高く適当な移動日程であればかなり有益です。また、観光旅行であれば特に夏場、混雑を避ける意味でも1等車(3割高)のレイルパスがいいと思います。混んでいると座れないだけでなく荷物(キャリーバック)を置くのが大変です。最悪網棚にのせることになります。鉄道旅行の場合乗り降りを考えると少し小さめのキャリーバックが便利です。1等席、1等車両は列車の前後どちらかの端にあります。列車編成表のない近距離列車は前か後か探し回ることになります。到着ホームが急に変更になったときは最悪でした。

夏の時期、主要路線の混雑が激しいとの情報で長距離移動は座席指定をしていました。
結局、ブリュッセル南駅⇒ケルン、フランクフルト⇒ドレスデン、ドレスデン⇒ベルリン、ハンブルク⇒ケルン乗り継ぎ⇒ブリュッセル南駅の5区間を座席指定。1区間2人で11.8ユーロです。乗り遅れても座席指定のみ無効になるだけです。
レイルパス利用時の場合、座席数に制限があるので早めに座席指定します。DB Navigationのアプリで乗車券や座席指定券の購入と乗車予定の列車の確認、座席の予約状況も見ることができます。実際は日本で座席券を印刷して持参していました。DB NavigationMy ticketsでweb表示と印刷が可能です。

ICE1等席 3 網棚に大きな荷物が置かれていました コンパートメントタイプの座席 建国記念日のグランプラス

2度目のブリュッセル(7月21日)は後で分かったのですがベルギーの建国記念日(祝日)で大にぎわい。大規模の路上遊園地やグランプラス付近もお祭り騒ぎでした。一番の見どころは王宮に続く沿道で行われる軍事パレードと夜に打ち上げられる花火のようです。花火は日が暮れるのが遅いので結構遅い時間でした。翌日のパリへの移動日、週末開催のブリュッセル南駅広場の青空市を見物。近くの遊園地も賑わっていました。
7月22日、午後から高速列車タリスThalysで最終地パリに移動。1時間22分でパリ北駅に到着。
パリ3泊です。メインはオルセー美術館、名画を鑑賞。あとは地下鉄利用でパリ市内を歩き回ることです。夏のパリ、暑さはそれほどでもなかったですが何処も込み合っていました。

オルセー美術館から見たモンマルトルの丘方向 トワイライトのエッフェル塔 出国に手間取ったシャルルドゴール空港

7月25日、パリドゴール空港キャセイパシフィック航空13:10発 香港経由5時間待ちでの乗り継ぎで7月26日16:35 関空着。列車の乗り遅れなどトラブルもなく無事帰国しました。

レイルパス、鉄道チケットの説明、購入方法など、WEBサイトで詳しく説明されていますので参照下さい。個人的にはEurail.comのサイトがお勧めです。レイルパスの購入、ちょっと難しい座席指定にも日本語で対応しています。
2020年、ローマからロンドンのグローバルパスを利用しての鉄道旅行(6月出発)を企画。イタリア、ローマから今回行かなかった南ドイツのミュンヘン、フランス、ストラスブールを経由してユーロスターでロンドンに入るルートです。予約(航空機、レイルパスと座席指定、ホテル)もしましたが全てキャンセル。時間はかかりましたが一部の座席指定料を除いて全て返金されました。座席指定料(パリ⇒ロンドンのユーロスター)に関しては実質2022年6月まで予約のできるバウチャーに交換されました。2人分で60ユーロ、使用できる事を願っています。

大阪府 浅野益男 記

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コメント

  1. 堀口昌之助 より:

    詳しい旅行記に仕上がっています。楽しまれたことでしょう。
    欧州を旅行すると、文化伝統に触れるために、我々の生業とは違うことが出てきます。
    そういった時に、感ぜられた文化生活の意見がお伺いできるともっと良かったかと。

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  2. 山田耕作 より:

    ヨーロッパは経験がなく、一度は訪れたいと思っています。素晴らしい旅行記を見せていただき、より一層、その気持ちが強くなりました。

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