ルアンババーンは町全体が世界遺産に登録されている。日本でいえば奈良の都のような佇まいをしている。観光客も多い。
もちろん寺も多いので僧の観光客もいる(ハイ、ポーズ)。
今回は、残念なことに夜到着して早朝に出発することになってしまった。
ホテルの庭で朝食をしていたら、日本人の女性がチェックインしてきた。目があったので少し話をする。
「これから何処へ行くのですか」と彼女が聞く。
「バンビエンで一泊してビエンチャン。そして、バンコクへ行く計画」と僕。
「そう、私の反対のコースね。私はビエンチャンから夜行バスで今着いたところなの。夜行バスは疲れたは」と、彼女は疲れたといいながら声は弾んでいた。
「まだ若いのだから、そんなことも出来るんでしょ。ボクなんて夜行バスなんて乗る気もしないんだから」と、彼女の笑顔に答えた。
「ルアンババーンは憧れの町だったの。でも、やっと今の歳になって来れたの」と彼女は嬉しそうに語る。よほど、嬉しかったんだろう、僕のような老人にも気軽に話しかけてくれたのだから。年齢は30代後半のようだが青春の若々しさがあふれていた。その時、ぼくはキャサリン・ヘプバーンの「旅情」を思い出した。そう、彼女はやっときたのだという思いで輝いていたのだ。
旅で、一人旅の人と出会うと、なぜか距離感を接近させてくれる。嬉しいことだ。
バンビエンはメコン川の支流であるナムソン川沿に出来た村だった。それが、ベトナム戦争やラオス内戦の時アメリカ軍の空軍基地となって村は変貌。ベトナム戦争が終わって1990年代になると、ナムソン川の清流と岩山の織りなす風景を求めて観光客が殺到するラオスの有名な観光地となった。
しかし、ベトナム戦争でアメリカ兵がドンチャン騒ぎした影響は残っていた。
町にはこんな看板も!
メコン川を挟んでタイと対峙する首都ビエンチャン。メコン川、もここまで来ると、川幅も広くなりたゆたゆと流れている。
「ガンジス川でバタフライ」という本があったが、それを真似してこの川で泳ぐと国境警備員に逮捕される。ラオスを舞台にした映画「逆光」では、メコン川を泳いでタイに密入国しようとした主人公が捕まっていた。
やっとここまで到着した。メコン川を眺めてビア・ラーオを飲む。最高の気分だ。
この嬉しそうな表情。
夜は、メコン川の川床でまたまたビア・ラ-オ飲む。ここでも嬉しそうだ。
橋を渡るとタイ・ノンカーイだ。ノンカーイからは、妻が待つバンコクへ夜行列車で移動する。(この旅・完。しかし、メコン川の旅は続く)
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