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もう一度行ってみたい 十河和夫 記

海外旅行体験記/記録

もう一度行ってみたい

つぎの日は、世界遺産「ルアンババーン」までスローボートで下る。スローと銘打つだけあって、途中のバークベンで一泊する二日がかりの船旅だ。

カオ・チー・バーテ(フランスパンのサンドイッチ)を買い込んで乗り込んだ(ラオス・ベトナムはフランスが統治していた影響でフランスパンは美味い)

船の幅は狭く、席を移動することもままならない窮屈さだった。でも、川面から吹く風は爽やかで移りゆく風景は変化に富んでいた。僕は、ビールを飲み風景を愛で本を読み、缶が空になるとすぐにもう一缶買って飲み風景を眺め本を読み、また買って飲んだ。

船には小学生としか思えない少年が売り子で乗っていた。僕が、もう一缶と注文するとニコッと笑って「ビア・ラーオ」を差し出してくれる。乗り込んでいるファラン(西洋人)の多くは、日中はアルコールを飲まない。夜中になるとアルコールをがぶ飲みして騒ぐのに、日中はおとなしい。

それはそれで、ぼくは昼間なのに鯨のように飲んだ。何缶目だったか、少年はまだ飲むの?という表情をした。ぼくは、はにかみながらもう一本だけと人差し指をつきだした。

バークベンで一泊。ホテルというよりドミトリーのようは簡素な宿だった。でも、天蓋のような蚊帳が覆っていて気分は豪華だった。

次の朝、船着き場に行くと船が多数停留されていて昨日乗った船がどれかわからない。躊躇していると、とにかく乗り込めと船頭にいわれ船に乗り込む。定員になるとすぐに出発した。異邦人は昨夜の客だということなんだろう。このいいかげんさ、緩さにぼくの常識はぶっとんだ。

この日もビールを飲んで本を読んだ。メコン川は、人を運び物を運び、食料もこの川から狩猟し畑へ水と肥料を供給してきた。ここに住む人の生活の糧を太古の昔より潤して来た。船員から「メコン川で産湯につかり、メコン川の魚で育った者でござんす」と啖呵の一つも出そうな雰囲気だった。

船はどこにでも停留する。あるときは家族ずれが大きな荷物を担いで。またあるときは独りぼっちで佇んでいる。

まるで、人生が流れているようだ。と思っているうちにルアンババーンに到着した。(続く)

2016年、ぼくはルアンババーンからファイサーイまで逆コースの旅を経験することになった。

その記事をロングステイクラブ会報に載せた。

上記、青色をクリックすれば会報のページに飛びます。パスワードを記入しすれば98号の会報のページです。

ぼくが記載されているのは38Pです。

 

 

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