下出様の二つの癌を乗り越えての生々しい貴重な体験談です。必見だよ!
病室を音楽ホールにして楽しむなんて・・・さすが下出さんね。
2019年の3月、誕生月に毎年検診を受けていて、この日も松下病院へ行きました。1週間後の結果で、PSA値が8.0を超えていて、前立腺癌の疑いが有りとの診断でした。生検で12個の針を打った結果、1本に僅かの癌細胞があり、初期癌が確定しました。超初期の癌ですが、癌宣告は矢張りショックでした。でも、前立腺癌は中々進まなく、取れば完治できると言われたので、暫く放って置きました。
(でも、西郷輝彦は前立腺癌で亡くなったんですね)
2020年の3月、今年も検診を受け、胃の検査をバリウム検査から胃カメラに変えました。何と、胃ではなく食道癌が見つかりました。胃カメラでこんな初期の食道癌が見つかるのは本当に珍しく、非常にラッキーと言われましたが、私は、前立腺癌の時と比較ができなほどのショックで、泣きそうになりました。かかりつけの医者も、前立腺癌の時は笑っていましたが、今回は真顔で、即刻、内視鏡手術を受けるよう、その場で手配してくれました。
初期の内視鏡手術は簡単で、それで終わる、と言われたので、気楽に1泊での手術を受け、1週間後に結果を聞くと、何と0.1mm程度残ってしまい、癌を含めた食道と、胃の1部やリンパ線を削除し、胃を使って新しい道を作る手術をする、との宣言でした。また、頭が真っ暗になってしまった!
松下病院の先生は、サッサと手術の日を決め、4/末を指定してきました。(有無も言えなかったですわ)
食道癌手術経験者の知り合いも数人いて、皆、今でも影響が残っている様で、イヤイヤと思いながら時間が過ぎていく中、下半身の大手術をした友人と話す機会があり、命の恩人らしい石切生喜病院の外科部長を紹介してくれました。藁をも掴む思いで、セカンドオピニオンとして話を聞きに行きました。そこで、外科部長の意外な言葉を聞きました。昨年に来たなら、松下病院と同じ判断をしたが、今は新たな論文が出ており、(内容は、食道癌の内視鏡手術をした人で、食道削除手術をした人と、放射線治療をした人の、余命時間は変わらない、と言う内容)、それ以降は、治療方法は患者に選択してもらっている、との話でした。勿論、私は即刻放射線治療を選びました。
そして、2020年の5月14日に石切生喜病院へ入院し、治療の最初と最後の4日間の抗癌剤点滴と、25回の放射線治療を受けました。最初の抗癌剤は全然シンドく無かったんですが、最後の抗癌剤は便秘と吐気で困りました。が、これ以外の時間帯は気楽で、暇でした。
本来5週間で退院の予定でしたが、治療後の白血球が低く、元に戻るまでにかなりの時間を要し、結局2ヶ月半の入院になり、退院は7月27日でした。後半の6週間は、毎日朝に血圧を図るだけ、何もする必要がありません。
メチャラッキーで、この時間を生かさない手はないと考え、私はクラシック音楽が大好きなので、iPadでYouTubeのクラシックを鑑賞する日が毎日続きました。2人部屋だったので(保険がかなり出そうだったので)ヘッドホンで聴きましたが、更にラッキーなことに、隣がいない時が多く、その時はそれなりの音で楽しみました。
入院のベッドが、私のベッド音楽ホ−ルになったのです!人生最大の楽しい入院生活を過ごすことが出来ました。
2.5ヶ月の拘束期間でしたが、丁度コロナが始まった時期で、世の中、家にいても外で遊べない状況でしたので、良い時期に入院出来たのかも知れませんね?
あれから2年弱経って、3ヶ月1回の胃カメラとCTスキャンで確認していますが、今は大丈夫ですわ!あの論文が無かったら、今頃、食道をチョン切って、繋いだ部分が傷んで悩んでいたかも知れないと思うと、ゾッとしますね。また、何で松下病院の外科医論文を知らなかった?のか?不思議?手術をしたかったのかも知れませんね?(わからんけど?)
今回は、セカンドオピニオンの大切さを痛感しました!更に、保険制度の良さと、個人保険の加入の大切さも痛感しました。癌保険と医療保険のお陰で、かなりの小遣いが稼げました?退院後、前立腺癌も1ヶ月の放射線治療を受けました。これも保険が降りて、ニンマリしております。
一応、癌とおさらばして、キレイな?体になってはいますが、食道癌の経験者の10年生存率は70%程度のようですので、取り敢えず80歳までは楽しんで生きよう!
編集担当 高田幸夫