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もう一度行ってみたい  十河和夫 記

海外旅行体験記/記録

2013年2月、僕はメコン川を渡っていた。2009年に、ゴールデントライアングルでもう一度来るのだと決意してから4年も経っていた。

その当時、寒い冬を逃れてチェンマイにロングステイするLsc会員が増えていた。そして、僕たち夫婦も先輩会員の紹介で、2011年からコンドミニアムに宿泊してロングステイを満喫していたのだ。2013年は僕だけがひと足早くチェンマイに到着。妻は2月に来ることになっていて、バンコクまで迎えに行く予定になっていた。そうだこの機会を利用しよう。バンコクへは、大回りになるがラオス経由で行こうと決意した。
そう「見る前に飛べ」のような決意をしたのだ。実は、小田実『なんでも見てやろう』、沢木耕太郎『深夜特急』に憧れていたが、海外での一人旅の経験はまだなかったのだ。この機会を利用しよう。
バックパッカーになるには、圧倒的に経験不足なのが、そんなことは言っていられない。僕は、大きな不安を胸に小さなカバンを背中に抱えてチェンコーン行きバスに飛び乗った。

バスを降りたら、若いバックパッカーの後についてソントクに乗り込む。ソントクは川沿いの道で停車。重いバッグを担いだ若者の後について行く(老いては若者に学ぶことが大事だ)。すると、掘立て小屋の前に人混みが群がっていた。ここがイミグレーションか、最後尾で並んでいたらバックパッカーの一人が、「ここはビザを申請する事務所だ。お前は日本人だからビザは必要ない。あちらの小屋に行ったらいい(もちろん、英語だが。そう言っているように聞こえた)」と教えてくれた。海外の若者は意外と親切なのだ!ありがとう・サンキュウ・コプンカップ

その小屋には柵も無い警官もいない。ただの小屋だが、確かにイミグレーションだった。パスポートに出国のハンコを押してもらう。いつもは、緊張でぎこちなくなるのだが、この雰囲気では緊張しようがない。パスポートを受け取り、川で待っている舟に向かう。まるで三途の川を渡る舟のようだ。船頭に6文銭、もとい60バーツを払う。パスポートの確認もせずに、人が集まれば漕ぎ出した。

メコン川を舟で渡る。それにしても、国境を越えているというのに、この警備の緩さはなんなのだ。これが、バックパカーの旅の真実なのか、僕は感激(不安もあった)に震えていた。ラオスのイミグレーションも、タイと同じように緩い警備でパスポートなどなくても上陸出来そうだった。パスポートに入国許可のハンコを押してもらったら、イミグレーションに一番近いホテルに宿泊する。


一人で国境を越え、しかも予約なしに宿泊できた嬉しさに、部屋にバックを置き、テラスに出て<ビア・ラオ>で「もう立派なバックパーカーになったぜ」と、メコン川に向かって叫び(胸の中で)一人乾杯をした。(続く)

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