海外・国内の旅行、長期滞在好きの仲間が集まったサークルです

私と陶芸「信楽焼を行く」(動画付き) 高田幸夫 記

西日本

コロナ禍になってから既に1年半になろうとしている。LSC会員の皆さんにとって好きな旅行も思うままにならずお困りの方が多いのではと思う。こんな時、勢い趣味に割く時間が多くなる。私はガーデニング、ビデオ編集、陶芸、俳句・・・最近はサイクリングも加わり多様な趣味を退屈することなく楽しんでいる。

そのうちの一つである陶芸は、自分の部屋で籠もって誰にも邪魔されることなく創造の世界を楽しむことができるので私の好きな時間の一つである。
陶芸との最初の出会いは、若いころ職場の仲間と共に信楽へ出かけて湯呑を作ったことに始まる。その時作った湯呑の作品がとても好評で変に自信を持ってしまった。そして、そのうちにと思いつつ月日が流れてしまったが、十数年前に陶芸倶楽部に入る機会を得て始めた。信楽には、倶楽部に出入りしている業者が店を構えていることもありときどき出かける。

昨年の3月まで放送されたNHKの朝ドラ「スカーレット」も信楽を舞台にした女性陶芸家の半生を描いたものだった。ドラマを見始めてから更に信楽に足を運ぶことが多くなりますます信楽が好きになった。

信楽焼の歴史は聖武天皇によって紫香楽(しがらき)宮が開かれ、その都の造営に使う瓦を焼いたことに始まるという。今日では日本六古窯の一つに数えられ歴史は深い。江戸期には既に登り窯が存在していた。信楽の歴史を知るには信楽伝統産業館や古陶館を訪れるとよくわかる。

私は陶芸を始めて以来ずーっと信楽の土と釉薬を使って作品を作っている。信楽焼は日常の器に使われることが多い。出しゃばりではなく簡素さが受けている。食器に使うと料理を盛り立ててくれる。茶具に使うと侘び・寂の味が染み出てくる。信楽焼には茶人の名を冠した「紹鷗信楽」「利休信楽」「宗旦信楽」・・・がある。茶人がいかに信楽焼を愛したかがよくわかる。

信楽の町にはいくつもの散策コースがある。『信楽窯元散策コース』のMAPを片手に窯元や名勝を訪ねるのもよい。登り窯喫茶の中で一休みしてコーヒーを飲んだり、信楽焼の器を使ったレストランでランチを楽しむのも嬉しい。

信楽と云えば「たぬき」である。JR信楽駅には巨大な狸が飾られている。狸は「他を抜く」「太っ腹(腹鼓)」に通じるところから縁起物、商売繁盛につながる。信楽の狸の八相縁起は有名である。現代の陶芸作品を見たければ滋賀県陶芸の森を訪ねるのもよい。広大な敷地内には展示館や研修館なと数々ある。ここではモダンアートとして世界の陶芸作品が展示してある。秋の信楽陶器まつりには出店も出て賑わう。

北河内陶芸展に出品をしていました

 

北河内陶芸展に出品した作品の一つ

陶芸を長い間続けていると作品数も多くなる。我が家ではリビング、玄関、床の間・・・あちらこちらに陶芸作品が展示されている。物置部屋もいっぱいになり、妻は置き場に困り果てている。最近は、友達や知り合いにプレゼントすることも多い。この世に二つとない真心を込めた作品を記念日に贈るととても喜ばれる。以前、20人を超える同期会に自作の陶器の草履をプレゼントした。妻にも手伝ってもらって鼻緒を付けた。心に残るプレゼントとなり今でも話題になる。勿論、身内で楽しむだけではなく対外的な作品展に出品することもある。

同窓会で友達22人に贈った『縁起・華草履』

我が家に来客があると、我が家の菜園で育てた野菜を使って妻が料理し、私の作った器に盛ってもてなす。庭の花の一番きれいな頃は、テラスに出て庭を鑑賞しながら旅や陶芸の話が進む。勿論、徳利も盃も自作である。

来客があると我が家のテラスにて手作りの器でもてなす
  作品:『瓢箪の徳利』
作品: 『焼酎入れと盃』
作品:『果物入れ』

陶芸は私の生活の中に深く浸みわたっている。陶芸は頭脳を刺激して創造性をはぐくむだけでなく、指を動かすためアンチエージングにも良い。
日本だけではなく世界のあちらこちらの窯元を訪ねる旅も楽しみの一つである。ドイツのマイセンを訪れたときにその造形の見事さに感動した。デンマークに行ったときロイヤルコペンハーゲンの透かしの食器が気に入り衝動買いをしてしまった。
旅先の窯元で陶芸体験を通して作品を作るのも、作品と共に旅の思い出がぎっしり詰まったものになる。沖縄の石垣島で作った石垣焼の自作の作品が先日ようやく届いた。その作品を見るたびに石垣島でステイした日々を思い出す。

作品:花柄の『水入れ』 絵付けのシーン
自分の好きな文字「感謝」を彫り込んだ作品(右側のみ)

信楽を散策しながら撮った映像作品「信楽焼を行く」(8分)を編集した。 信楽に行ったような気になる。
下記の写真をクリックしてご覧ください。ご覧頂いてよかったら「いいね!」をお願いします。また、感想などの「コメント」も期待しています。

西日本趣味の広場

コメント

  1. 神原克收 より:

    多芸多才の見本のようなお方ですね。「天は二物を与えず」のフェイク性を証明するような作品です。お願いしているセミナーのテーマは「焼き物」か「信楽」も魅力いっぱいで選択肢があり過ぎですが宜しくお願い致します。

ロングステイクラブ関西