井藤様の突然の訃報を聞いて、すぐに15年前のKLロングステイのことを思い出した。
あの時は、井藤さんに色々とお世話になり楽しいロングステイが過ごせた等いろいろな思いが次々と浮かんできた‥。
2008年1月、ロングステイクラブのお誘い予行で初めてロングステイをした。
長い間憧れていたロングステイである。
何も知らない素人がロングステイ出来るのもロングステクラブに入会していたおかげである。
でも何といってもこの時のロングステイがスムーズに行ったのは、井藤夫婦のおかげである。
何の知識もない新人にコンドミニアムを紹介し予約。飛行場からコンドミニアムまで来る方法をメールで説明。
コンドに到着すると、部屋の説明やコンドの簡単な説明を聴きながらデイナーまで予約してくれていた。
まさに、大恩人である。
前回、思い出の一枚で正木さんとのツーショットを投稿したが、それはまさにこの時のロングステイだ。
正木さんは井藤さんの部屋に同居させてもらっていたと記憶している。
初めてのロングステイは、今までのパック旅行とは違って自由に行きたい所に行けるという楽しみ方があった。
愛子が行きたいと願っていたキャメロンハイランドに二人小旅行した。
宿泊は彼女が選んだ「ストロベリーパーク・リゾート」。
ベランダからは松本清張『熱い絹』のモデル・ジムトンプソンの別荘が見えた。
彼女が先に帰国した後、僕は一人で「バトウ・バハ」に旅行した。
この町は僕の好きな金子光晴が滞在した町なのだ。
「窓の前は‥ニッパ椰子が重なりあって繁茂していた。蒙々とした雨霧がふきはらわれ、‥明るんでみえる曇天に‥、黒々として逆光線でカユ・アピアピの姿があらわれる」と金子光晴『マレー蘭印紀行』で描かれている。
ロングステイクラブのお誘い旅行に参加した。初めての長期滞在で不安もあったが、お誘い旅行の幹事さんが現地で世話をしてくださったので、無事に一ヶ月過ごせた。
その間に、松本清張の「熱い絹」の舞台キャメロン・ハイランド。金子光晴が滞在して『マレー蘭印紀行』を書いた「バトゥ・パハ」へも旅行することが出来て大満足だった。
編集担当:江口三重子