旅の医療・健康エピソード「入院体験」 神原克收 記

その他

人生初の入院体験を台湾ですることになった。病気と言うほどでもないが、左半身に微弱な痺れが2日ほど続いたので、脳梗塞の可能性無きにしもあらずということで、病院体験を兼ねて病院へ行った。

投宿している振英会館のZ支配人、日本語通訳Y嬢と一緒に台中最大の中国医薬大学附属病院に行った。一般病棟へ行くと時間が掛かるので、少々高いが緊急重症病棟へ。簡単な問診の後点滴を開始した。手際よく血液検査始めもろもろの検査やCT検査を済ませた。病院到着からここまで1時間半、実に速い。

30分くらい経過して検査結果を見ながら「CT検査の結果異状は見つからなかったが、脳に小さな異常がある可能性があるので、3日間入院して精密検査と脳梗塞の予防措置をしてはどうか」と提案があった。その時は痺れも薄らいでいたので入院する必要は全く感じなかったが、将来の安心と台湾の医療事情を体験するのも悪くはないか、と入院することにした。

待ち時間を短くするため救急重症病棟へ 救急重症病棟の受付
即刻採血し点滴開始 点滴しながらCT検査室へ、病人らしい雰囲気出てるなぁ
CT検査開始

入院病棟は緊急重病患者病棟という物々しい病棟である。部屋代は一日当たり4人部屋5,700円、2人部屋12,000円、個室17,000円である。どうせ保険でカバー出来るので個室でも良かったのだが、「体験」という意味からすると4人部屋に魅力を感じ、4人部屋を選択した。部屋はカーテンで4室に仕切られ、洗面所、トイレ、シャワーは室内にある。自室部分にはベッド、収納ボックス、テーブルとソファ兼簡易ベッドがあり、付添はここで寝泊まりする。

血液検査、検便、検尿は入院初日の朝済ませ、以後検温、検眼、血圧チェックは一日に3~4回は来る。点滴は病院に来てから入院3日目の16:00迄49時間、合計4袋を点滴。その間トイレに行くときも館内を移動するときも常に点滴台を携行する。最初は不便であったがすぐに慣れ、それほどの苦にはならない。ただ、その間下半身の着換は出来るが上半身の着換が出来ず、また、シャワーも浴びられないのは少々苦痛。

病室風景 深夜の4人部屋
何処へ行くのも点滴がお供 病人でもないのに見舞いに、左から振英会館日本語スタッフYさん 支配人Zさん、愛妻、同行のNさん

主治医は劉さんという40代後半の医師である。毎日夕方病室に来てその日の検査結果報告と所見、明日の検査予定など時間を掛けて説明してくれる。会話は英語だが専門用語が多いので主として筆談になる。

主治医以外に副主治医の女性医師が時々来る。その際学生が7~8人付いてくる場合がある。将来の医者の卵であろう。

看護師は3交代制で8-16時、16-24時、24-8時で交代する。交代すると写真のように名前を表示する。

看護婦は特定していないようだが、誰も親切で感じは良い。ただ、日本人と比べるとやることは少々大雑把な感じはするが、どの子もフレンドリィで明るい。言葉が日本語は勿論英語も通じない子が多いが、ルーチンワーが主なのでボディランゲージでそれほど困ることもない。

主治医のR先生 副主治医
看護婦さん(血糖値検査) 看護師は3交代制
主治医のR先生から日本語の本が届けられた(健康百科は良く解る)

4人部屋なので決して静かな環境ではない。朝夕の食事時や定時検査、診断、処置の時などは結構賑やかだ。また、救急重病患者棟なので、重篤な患者も2人いて処置時の呻き声や吸引作業等の騒音も結構目立つ。しかし病院だからそれも当然で気にもならない。

夕方から夜に掛けては家族と思しき人が見舞いに訪れ、周囲への遠慮なく大声で話をする。仕事の関係か深夜にやって来る親族らしき人の大声会話には少々閉口。深夜1時頃が1回、深夜2時頃が1回あったが、誰も文句ひとつ言わない。病室の材質は床がタイル、壁は漆喰、天井が板状で吸音するものが何もないので、話し声はもろに聞こえる。それでも言葉の意味が解らないので、余り気にはならない。

同室の内2人には付添が付いている。見た感じでは親族ではなく、多分フィリピンかインドネシアからの出稼ぎ家政婦であろう。家政婦同志は時々会話を交わしているし、患者の背中のマッサージ(タッピング)も同じ方法で多分同国人ではないかと思う。

これらの騒音は日本であれば相当気になると思うが、ここに入院していると殆ど気にはならない。これも興味本位での入院のせいであろう。本当の病気で入院した場合でもこれほど冷静でいられるか少々心配だ。

常日頃から血糖値がやや高いので、食事は糖尿病患者用の食事を選択した。

朝食 昼食 以外に美味しい
夕食 運動しないので量的にちょうど良い 病室にはハンガーを引っ掛ける場所が全くなく、トイレにこんな光景が出現

入院3泊し、4日目の朝10時過ぎ退院、精算を済ませて病院を出たのが11時過ぎ。この日は振英会館の支配人と日本語スタッフYさんが付きっ切りで世話をしてくれた。こちらは病気とも何とも思ってなく、興味に惹かれての入院なので何とも言えず面映ゆい。でも台湾の病院事情を肌で感じることが出来、且つ各種検査の結果自分の健康にも自信が持てて、実に有意義な入院体験であった。

全般的な感想としては台湾で病気をしても大都市ならそれほど心配する必要はない(地方では病院に行った経験がないので何とも言えないが)。ただ、言葉の壁には留意が必要だろう。今回は宿泊しているコンドに通訳がいたが、台湾には日本語の出来る人は沢山いるので、他の外国よりはハードルは低いだろう。

全て合わせて支払額は次の通り。(換算は1元=2.7円)
これらの費用はビザゴールドカード付帯の保険でカバーする。現在申請中だが問題なく全額補填してくれそう(但し、診断書代は補填対象外)。それだけではなく帰国後60日間(90日だったか?)日本での治療費もカバーしてくれる。

総額        92,500円
診療費     7,100円
検査費     25,600円
放射線診療費  34,900円
入院部屋代3泊 14,000円
食事代3日分   1,500円
薬代(26日分) 3,600円
その他      5,800円

「その他」費用は何かと訊いたら、例えは悪いがクラブや高級レストランのカバーチャージのような性格もので救急重病棟に入院すると必ず要る費用らしい。
以上

病室からの眺め 入院費精算所(職員は全員クリスマスモード)
1階ロビーではピアノの自動演奏 地下1階には和食もある
1階にはスタバも

編集担当 高田幸夫

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コメント

  1. 堀口昌之助 より:

    勝手知った台湾での入院は、心配が少なかったことでしょう。
    そうです。脳関係の疾患は、いつでもどこでもですから。心配していたら、海外にも行けませんが、そんなことも起こる年齢に達しました。いつまでも若いととは言っておれません。
    リスクを取るか、自宅でおとなしくする残余の日々にするか。難しい。

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