「そろそろ、次の旅に出かけようか!」2025年後半、LSC関西の仲間たちが集まりました。メンバーの年齢は80歳前後。家族の用事や、自分の健康管理など、それぞれ「自己事情」は山積みです(笑)。
「身体に負担の少ない国内旅行に切り替えるべきかなあ・・」という弱気な声も一瞬よぎりましたが、パンフレットをみていると、やっぱり目が向いてしまうのが憧れの海外!「行けるうちにいっておこう!」と全員の目が一気に輝き、満場一致で決定したのは「中欧」(オーストリア・チェコ)の旅でした。
過去の(カナディアンロッキーの旅)を皮切りに、海外4回(うち1回は諸事情により惜しくも頓挫)、国内2回を共に乗り越えてきた筋金入りの旅仲間。役割分担は言わずもがなの「暗黙の了解」です。
◯行き先合意・スポット&ホテル等の緻密なリストアップ:青田文男さん(今回は吉村東洋男さんも強力バックアップ!)
◯レンタカー手配・現地での神がかった運転と通訳:奥谷 豊さん
◯写真撮影・ホームページ広報担当:平田和彦(私)
◯期間は2026年6月3日~14日
相変わらず、企画から下調べまで青田さんにおんぶに抱っこ(笑)の状態で、いざ出発のときを迎えました!
※写真をクリックすると拡大表示されます。

オーストリア編 ハプスブルクの栄華と、美しき森と湖に癒されて
フライトはエバー航空を利用し、関西国際空港(KIX)から台北(TPE)経由でウィーン(VIE)へ。総旅日数12日間、欧州滞在は10日間。短い日程の中で、まずはハプスブルケ家の遺産が残るウィーンから旅は始まりました。
ウィーン 息をのむ宮殿と芸術の嵐に圧倒される
1.ウィーン美術史美術館とベルヴェデーレ上宮
女帝マリア・テレジアの命によって建てられた「ウィーン美術史美術館」に足を踏み入れた瞬間、私たちはその内装の圧倒的な迫力に言葉を失いました。まさに「金に糸目をつけない」「完成までの期間を縛らない」という、歴史的な冨と権力があったからこそ成し得た稀有な建築。
世界中から集められた色とりどりの大理石が、見事なモザイク模様や立体空間を作り出しており、大階段を見上げるだけでも目を見張るものがあります。館内では、ラファエロやブリューゲルの名画を至近距離で鑑賞。さらに「ベルヴェーレ上宮」へと足を伸ばし、金箔を多用したグスタフ・クリムトの傑作「接吻」や「ユディット」やエゴン・シーレの「抱擁」などの本物が持つプライスレスな輝きに、ただただ圧倒されました。














2.広大なハプスブルク家の夏の離宮「シェーンブルン宮殿」
私たちは過去、イギリス、フランス、スペイン、北欧、ロシアなど、名だたる国々の王宮を訪れてきました。正直なところ、「主の住まい、豪華な室内装飾、広大な庭園の佇まいは、どこも似たりよったりだろう」という贅沢な慣れがあったのは事実です。しかし、ロココ様式で完成させたマリア・テレジアの「シェーンブルン宮殿」は別格でした。これでもかと権力の大きさを存分に見せつけるかのような広大な敷地。そしてウィーン会議の舞台ともなった「大ギャラリー」の豪華絢爛な内装には、一同すっかり魅了されてしまいました。
















ザルツブルグ&ハルシュタット
ウィーンから移動し、丘にそびえる中世の城「ホーエンザルツブルグ城塞」がシンボルの街、ザルツブルグへ。場内の博物館を見学し、尖塔から見下ろすザルツブルグ平原の壮大な眺めは、これまでの歩き疲れが吹き飛ぶほどの美しさでした。「モーツァルト生誕の家」などを公共交通機関を駆使して徘徊した。さすがに足腰がメチャシチャに歩き疲れました。(笑)。
ここからはザルツブルグを起点に、奥谷さんの運転でレンタカーを借り、1泊2日の「ザルツカンマーグード地方」の周遊へと繰り出しました!・・が残念ながら両日ともに生憎の雨模様。しかし、我々の旅情は冷めません。
◯1日目 ギャップを楽しむ山登りと買い出し
世界遺産ハルシュタットへ向かう道すがら、ロープウェイに乗って標高1,850mの「ウンタースペルク山」へ立ち寄りました。山上駅から山頂までは整備された山道が続いており、「ちょっと歩いてみたい!」とメンバーの一人が歩き始めました。しかし、みるみるうちにガス(霧)か立ち込め、視界不良で中途断念!ところがロープウェイで下まで降りてみると、なんと明るい晴れ空。「この山の上の異世界観、貴重な体験やったなあ」と笑い合いました。その後、天候は本格的な雨に。美しい景勝地である「ローザウ湖」や「ハルシュタット湖」での船上遊覧は泣く泣く断念しましたが、雨に煙るハルシュタットの湖畔をしっとり散策。地元のスーパーに立ち寄ってワインや食料を大量に買い込み、今夜の宿へ。窓から雄大な岩山が迫る、静かな住宅街の一軒家は野趣味たっぷりで、仲間内の最高の隠れ家となりました。
◯2日目 負け惜しみの(?)贅沢クルーズ
翌朝、有名な温泉保養地「バート・イシュル」へ立ち寄るも、温泉には浸からず市内を優雅に散策。続いて、ヴォルフガング湖畔から「シャーフベルグ登山鉄道」に乗るのをとても楽しみにしていたのですが、冷たい小雨。渋々断念し、急遽「湖上遊覧船」へと切り替えました。「連日の歩き疲れた足腰を癒すには、これ以上無い絶好の選択だよね!」と、みんなで都合のいい゛負け惜しみ゛を言い合いながら、船上で周辺の美しい流れる風景をボーと眺める時間に(笑)。これが怪我の功名で、実に心地よい癒しの時間となりました。「サンクロキルゲン」で下車した後は、市庁舎やモーツァルト関連施設を見学し、涼しい気候の中で美味しいランチを堪能しました。


















チェコ編 中世の風情が今も息づく、おとぎ話しの国へ
オーストリアから国境を超え、次なる目的地チェコへ。そこはまるで絵本の世界にタイムスリップしたかのような、美しい古都の風景が広がっていました。
世界遺産「チェスキークルムロフ」の路地に浸る
1992年に世界遺産に登録された古都「チェスキークルムロフ」は、中世の面影をそのまま現代に残す奇跡な街でする優美に曲がりくねるヴルタヴァ川、そして高台にそびえ立つチェスキークルムロフ城。現地案内人の丁寧なガイドのもとで城内をじっくり見学し、息を切らせながら尖塔にも上がりました! そこから見下ろす景色は、オレンジ色で統一された美しい家々の屋根と、どこを切り取っても絵になる街並み。終日、その中世の統一感ある美景の余韻にどっぷりと浸っていました。










建築様式の宝庫! 首都「プラハ」を大満喫
チェコの首都プラハの象徴「プラハ城」は、まさにヨーロッパ建築様式の生きた博物館でした。1000年以上にわたって増改築が繰り返されたため、一つの敷地の中に様々な時代の美が共存しています。
◯ロマネスク様式の、どこか可愛らしい「聖イージー教会」
・天を突くようなゴシック様式の圧倒的建築「聖ヴィート大聖堂」や「旧王宮」
・優美なルネッサンス様式の「王室庭園ベルヴェデーレ」
・堂々たるバロック様式の「マティアーシュ門」
聖ヴィート大聖堂の内部では、あのアルフォンス・ミュシャが手がけた「聖キリルと聖メトディウス」のステンドグラスや美しい薔薇窓から差し込む光の美しさに、ただただ息をのみました。旧市街へと降りてからは、有名な「ディーン教会」や「聖ミクラーシュ教会」を巡り、「旧市庁舎」の展望台へ。眼下に広がるプラハのパノラマと、ヴルタヴァ川にかかる最古の石橋「カレル橋」の周囲の景観など、まさに右を向いても左を向いても見どころ満載の、贅沢過ぎるひとときでした。















今回の旅を彩った「グルメ&企み」裏話
今回の滞在は各都市とも短期間だったため、食事はすべて外食! これも旅の大きな楽しみでした。特に強烈な印象を残した2つのディナーをご紹介します。
1.ウィーンの超人気店「フィ゛クルミューレ」での作戦勝ちディナー
ウィーンで伝統のカツレツ(シュニッツェル)で右に出るものはいない有名店「フィグルミューレ」をネットで事前予約。しかしこの日の夜は、食後に「シュテファン大聖堂での音楽会」に行く予定が入っており、スケジュールが超タイト! 席についてから注文、食事、支払いまでをいかに効率よく進めるかが勝負でした。
そこで私たちは「私たちはこれだけ急いでいます」という趣旨をドイツ誤と英語でまとめた説明文を先もって用意し、着席と同時に店員さんに提示。この私達ののユニークな゛企み゛を店側が快く理解してくれ、なんと西欧のレストランでは珍しく、注文した料理がすべて同時にテーブルに運ばれてくるという神対応をしてくれたのです! 日本人の我々にも馴染みやすいサクサクの味で、お皿からはみ出るほど巨体カツレツでしたが、私は見事に完食。評判通り常に満席の賑わいでしたが、この事前準備のおかげで、音楽会には最前列の特等席をバッチリ確保! 企み成功に心の中で「にんまり」とガッツポーズです。



プラハの地下室で味わった、暗闇の中世ショーディナー
プラハの夜は、ちょつと趣向を変えて「パボウカ」というショー付きのディナーへ。案内されたのは、まるで秘密基地のような地下室。薄暗く中世風の装飾が施された空間で、長い椅子に他のお客さんたちと相席で座ります。通路の目の前で大道芸人風のジャグリングやダンスが繰り広げられるのを見ながら食事を楽しむスタイルなのですが…とにかく店内が暗い!! 明かりはテーブルのローソクの明かりのみで手元がよく見えず、まるで学生時代にみんなでワイワイやった「闇鍋」を食べているよう(笑)。芸はちょつと子供だましなところもあり、味はいたって普通でしたが、なぜか店内は世界中からの観光客で満席?。あの不思議な熱気と怪しげな雰囲気は、今思い出しても笑ってしまう。最高の珍道中エピソードです。




旅の総括&あとがき
今回の旅の参加者は4名。LSC関西の旅としては過去一番の少人数でした。しかしこれが結果的に大正解! オーストリア国鉄の移動や、駅頭からホテルへのUberやタクシーの手配など、乗合の際にフットワーク軽く移動をこの上なくスムーズにしてくれました。また、移動に便利な「ザルツブルグカード」は、交通期間だけでなく美術館や博物館、コンビニでも使えて大活躍でした。
観光地、食事先、宿泊先、レンタカー確保など、事前の調査やネット予約が緻密にされていたおかげで、大きなトラブルもなく素晴らしい旅ができました。入念に準備してくれたメンバーの皆さん、本当に有難う!!!
お天気と「ピンコロ石」の洗礼
天候面では、日本を出国する日に大型の台風が到来し、ハラハラしましたが、幸いにも関東方面へ抜けてくれたため、予定通りフライト。中欧10日間の滞在は大半が素晴らしい好天に恵まれ本当にラッキーでした。ただ、ザルツカンマーグート地方の2日間だけが少雨でぐずついた天気となり、「これで高い山や丘に登って、大パノラマの山並みが眺望できていたらなあ」なんて贅沢の思いがよぎるのも、また旅の愛嬌です。
そして、ヨーロッパの美しい街につきものなのが「旧市街の石畳」。路面はピンコロ石で敷き詰められており、一見フラットに見えても、歩いてみると微妙な凹凸がありまするこれが足腰にじわじわと負荷を与えるのです。事前のしんどさを想定し、従来よりもクッション性のある靴を選び、さらに厚手のインソールまで挿入して万全の体制で臨んだのですが…..旅の後半にはしっかり腰にきてしまい、なかなか難儀いたしました。お互い「もう無理の効かない年齢だねえ」と言い合いながらも、最後まで全員が自分の足で歩き通し、無事に帰国できたとは大きな自信となりました。
旅のマネー備忘録
●航空券(6か月前に確保): 約13万円
●現地費用(観光拝観料、交通期間、食事代すべて込み): 約30.5万円
●総額 約44万円の旅
昨今の歴史的円安に加え、現地の多くの城や美術館の高い拝観料が日々重なったため、過去の旅と比較すると少し割高感は否めません。しかし、それ以上に得られた感動と、仲間との絆はプライスレスです。

帰国して10日が経過した今も、私の体内時計は相変わらず「欧州時間」のまま。夜中の1時過ぎにパチッと目が覚めてします、日中は眠い日々を過ごしています。
やっぱ、もう立派なおじいちゃんだな(笑)と自嘲しつつ、楽しかった旅の余韻に浸っています。
さぁて、私たちの次の旅はいったいどこになるでしょうか?まだまだ足腰を鍛えて、次の冒険に備えたいと思います。
編集 安樂秀典
編集後記 平田さん、素晴らしい記事と豊富なご写真を寄稿いただき、誠にありがとうございました。拝読しているうちに、私まで現地を一緒に訪れているような充実した気持ちで編集に臨むことができました。 今回は非常に読み応えのある大作ということもあり、記事の構成をはじめ、写真の場所検索、アイキャッチ画像や地図の作成など、様々な工程でAI技術を活用して編集いたしました。





