オリンピックには興味がないのですが、パリオリンピックの報道があるたびに、
パリ旅行を懐かしく思い出します。
パリはお洒落な街ですね。いろいろ懐かしく思い出します。
墓石に紅く蠢くキスマーク 薔薇の花びら風に舞い散る
何なのだ!このキスマークは?と僕は思った。サルトルの墓参りにルンルン気分で来た僕を驚かしたのは、墓石にキスマークがつけまくられていた事だ。しかし、僕をそれ以上に驚かしたのは、キスマークよりサルトルとボーヴォワールが同じ墓に仲良く収められていた事だった。

サルトルよ ボーヴォワールとの契約結婚いつまで続ける
「私たちのあいだの愛は必然的なもの。でも偶然の愛を知ってもいい」と宣言して二人は2年問の契約結婚を結んだが、日本でいう法律的な結婚はしていない。だから、僕はてっきり二人は別個の墓に収められているのだと思い込んでいたのだ。

事実婚 まわりの皆がみとめても 法が大事と国家は認めず
墓は普通の大きさだった。僕たちは墓に礼拝した。維かが手向けた花が墓石の上でドライフラワーとなってカサカサと風に揺らいでいた。妻が「花束を買ってくるべきだったわね」とつぶやいた。
僕は「そうだね」と小さく答えた。実は僕も手ぶらで来たことを悔やんでいたのだ。
「来る時に花屋があって安くて綺麗な花があったの」妻は後悔しているようだった。
「来ただけで喜んでくれているよ」僕はそう答えながら妻との出会いはサルトルとボーヴォワールがいたからだということを思い出していた。
墓場は、春の肌寒い風が吹いて寒々とした風景だった。
「寒いね」と僕が言うと、「そうね、淋しいわ」とトンチンカンな答えが返ってきた。
そう、僕たち二人は時々言う事がくい違う。それでも理解しあってきたのだと思う。
風吹いて「寒いね」と言えば「淋しいわ」と返す君おらず
その時、僕は気がついたのだ。僕たちはサルトルとボーヴォワールの墓にお礼参りにきたのだと。
妻と出会えたのは君たちのおかげだ「ありがとう」。
そして、今またあなた達は教えてくれた!何があっても最後まで二人で生きていく事が必然なのだと。





編集担当:江口三重子