10 アルゴンキン州立公園
アルゴンキン州立公園はオタワの北西200Kmくらいのところに位置し、静岡県や宮崎県とほぼ同じという広大な面積を有している紅葉の名所である。園内には 2,400以上の湖や池があり、雄大な自然が楽しめるがそれ以外は何も無い。何もないのがまた良い。車で公園の一部を走っただけだが、紅葉の美しさは格別で1日を費やす値打ちは十分ある。
公園西門の近くにハンツビルという町があり、そこのライオンズ・ルックアウトという展望台からの景色は素晴らしく、ここを見ただけでトロントから3時間ドライブして来た甲斐があったという気分にさせてくれる。近くにはラグド滝という観光スポットもあり、滝も良いがそこへ行くまでの短いトレッキングが何とも心地よい。
公園管理事務所 |
公園内の眺め |
公園内をひたすらドライブ |
園内では野生の動物にも出会える |
ハンツビルの展望台からの眺め |
滝へのミニトレッキングが心地よい |
11 田舎のB&B
アルゴンキン州立公園の東門を出てしばらく走った小さな町でB&Bを見つけそこに泊まることにした。当然チェックをした上での決定である。
結果として大当たり!トイレ、バスをはじめ部屋の隅々まで掃除が行き届き誠に心地よい。オーナー夫婦の愛想はほどほどだが、客の要望には実に迅速に行動する。
朝食は1階の食堂で宿泊客全員が摂る。食事内容は取り立てていうほどの事はないものの美味しかったのは事実。何よりも食堂のインテリアが素晴らしかった。日本の若い女性なら「可愛い!」を連発すること間違いない。 こうしたところに客が集まらない訳がなく、このオーナーは隣接するところに新しいB&Bを開業していた。でも余り大きくなるとなぁ、という不安がちらっとよぎる。
夜部屋の外に出ると星が降るように輝き、こんな星空を毎日見て育った子供時代が懐かしい。でもあの頃は貧しかったなぁ。
B&Bの外観 |
食堂で朝食 |
食堂壁面の装飾 |
オーナー夫妻 |
12 オタワ
カナダの首都はオタワである。カナダ第5の都市だが川向こうにあるケベック州のカティーノを含めても100万人に満たない。
オタワほどキレイな首都はないだろう。寡聞な小生の知る限り、対抗できるのはスエーデンのストックホルムくらいか。
写真をご覧頂こう、とにかくキレイだ。清潔感は当然としてオタワ川(同じ川でも対岸のケベック州ではフランス語でウタウエ川という)が流れ、川辺に立つ緑青の屋根をいただいた荘厳な国会議事堂、紅葉に染まった公園、電線も看板も奇抜な色の建物もない街観、まるでお伽の国を見るようにうっとりする。なぜこんな街が日本には出来ないのか?国土が狭い?そんなもん理由になるかっ!日本ほど山・川・海・水に恵まれた風光明媚な国はどこにもないのに。
要は街造りのグランドデザインがないことに尽きる。それと同時に自由、自由と叫んで勝手気ままに箱物を造る、これを規制しないことには話にならない。規制しようにも肝心のグランドデザインがなければ規制のしようもない。
オタワの街はどこを切り取っても美しい |
13 英語とフランス語
カナダは英語の国でケベックだけはフランス語と理解していた。実際に来てみるとフランス語の存在が私の理解より遙かに幅を利かせている。国全体では英語・フランス語併記が大変多い。慣れるまでは道路標識など、ついつい英仏語両方を読もうとして、肝心の英語部分も読み損なう。
首都オタワは川を挟んで対岸はケベック州である。川の名前もオタワ側はオタワ川、対岸へ行くとフランス語でウタウエ川となる。橋を渡って対岸に入るととたんにフランス語のみとなり、最初は戸惑う。
高速道路を走っていてもケベック州からオンタリオ州に入ると標識がフランス語から英語に変わり、英仏の建国以来の複雑な関係を思わずにはいられない。
カナダは新しい国で16世紀になってやっとフランスが支配下に納めた。その後イギリスが進出し、1759年のアブラハム平原の戦いでフランス軍を破り、イギリスの植民地となった。イギリスは穏健な政策で統治したため、現在に至るもケベック州ではフランス系が幅を利かせている。ことある毎にケベックはカナダからの独立を心に秘めたまま今日に至っている。
オタワ、川向こうはケベック州 |
オタワの公園(英仏語併記)、犬の糞放置は最低100ドルの罰金とのこと |
リドー運河(オタワ)、画面奥の橋を渡ると全てフランス語 |
ケベック州では標識も全てフランス語(ケベックシティ) |