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東北紀行/奥の細道と共に(1)  十河和夫

東日本

岩手県花巻市宮沢賢治の記念館を訪ねました

「猫の事務所」は宮沢賢治の短編です。
最近、絵本になって人気が出てきています。
ある小さな官衙に関する幻想の物語です。

軽便鉄道の停車場のちかくに、猫の第六事務所がありました。ここは主に、猫の歴史と地理をしらべるところでした。
書記はみな、短い黒の繻子しゆすの服を着て、それに大へんみんなに尊敬されましたから、何かの都合で書記をやめるものがあると、そこらの若い猫は、どれもどれも、みんなそのあとへ入りたがつてばたばたしました。
けれども、この事務所の書記の数はいつもただ四人ときまつてゐましたから、その沢山の中で一番字がうまく詩の読めるものが、一人やつとえらばれるだけでした。
事務長は大きな黒猫で、少しもうろくしてはゐましたが、眼などは中に銅線が幾重も張つてあるかのやうに、じつに立派にできてゐました。
さてその部下の
一番書記は白猫でした、
二番書記は虎猫とらねこでした、
三番書記は三毛猫でした、
四番書記は竃猫かまねこでした。
竃猫といふのは、これは生れ付きではありません。生れ付きは何猫でもいいのですが、夜かまどの中にはひつてねむる癖があるために、いつでもからだが煤すすできたなく、殊に鼻と耳にはまつくろにすみがついて、何だか狸たぬきのやうな猫のことを云いふのです。
ですからかま猫はほかの猫には嫌はれます。

十河和夫 記

後はインターネットで、https://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/464_19941.html

 

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